理数探究と進路について

なぜ、理数探究なのか。

問いを立てることは、探究の出発点です。理数探究では、そこから仮説を立て、観察し、測り、結果が予想と違えば考え直します。このページでは、その学びの意味と、大学進学へのつながりを整理します。

Lab to Impactは文部科学省の関連機関ではありません。制度・出願要件は必ず各大学・高校の最新の募集要項等をご確認ください。

01 — 文部科学省と高校の探究活動

「総合的な探究の時間」と「理数探究」。

文部科学省の高等学校学習指導要領では、「総合的な探究の時間」が位置付けられています。生徒自身が問いを見いだし、課題を発見・解決する力を育てることが重視されています。また、高等学校では「理数探究」も位置付けられ、実社会の事象を対象に、教科で学んだ知識を横断して探究する学びが示されています。

参考:文部科学省「総合的な学習(探究)の時間」↗「高等学校の理数探究・STEAM教育」↗

02 — 理数探究の価値

問いを立てる力に、「自分の答えを疑う力」を。

探究活動は、自ら問いを見つけ、情報を集め、整理・分析し、自分なりの考えを形にする力を育てます。理数探究ではそこに、仮説を立て、観察・実験で確かめ、得られた証拠によって自分の考えを更新するという、科学特有の思考が加わります。

探究

問いを立て、考えを形にする

問いを立てる自分で「何を知りたいか」を決める。

情報をつなぐ複数の情報や立場を整理し、自分なりの意味を見いだす。

考えを伝える調べ、考え、まとめ、他者に伝える。

理数探究

仮説を立て、事実で確かめる

検証方法をつくる何を測れば仮説を確かめられるかを考える。

結果と解釈を分ける見えた事実と、自分の考えを混同しない。

結論を更新する予想と違う結果が出たら、証拠に合わせて考え直す。

世界を自分の考えに合わせるのではなく、自分の考えを世界に合わせる。

自然界の事実は、私たちがどう予想するかとは無関係に存在しています。科学者は、真理そのものをつくるのではありません。観測し、測定し、実験し、モデルをつくり、目の前の事象から少しずつその輪郭を捉えようとします。

だから科学には、ある種の謙虚さがあります。自分の仮説だけでなく、目の前の一度きりの結果も疑う。測定誤差や別の説明、再現性を確かめ、新しい証拠が出れば考えを変える。

「自分が正しい理由」を探すのではなく、「何が正しいのか」を探す。

私たちは、これが理数探究を学校で行う大きな意味の一つだと考えています。

ここでの対比は、総合的な探究と理数探究の優劣を示すものではありません。両者は重なり合いますが、理数探究では特に、観察・実験・データによる検証に重心があります。

03 — 理系探究・課題研究の記録

結果だけでなく、研究の過程を残す。

01

問い・仮説

なぜそのテーマを選んだのか。先行研究を踏まえて、何を確かめたいのかを言葉にする。

02

方法・試行錯誤

実験条件、変更した理由、うまくいかなかった試行も残す。

03

結果・考察

得られたデータと、自分の解釈を分けて整理する。

04

論文化・発表

研究の流れをまとめ、他者からの問いを次の研究へ持ち帰る。

04 — 総合型選抜・学校推薦型選抜

探究と大学入試

文部科学省は、総合型選抜を、書類審査や面接などを組み合わせて志願者の能力・適性、学習への意欲や目的意識などを多面的・総合的に評価する選抜として整理しています。学校推薦型選抜は、高等学校長の推薦に基づき、調査書などを資料として評価する選抜です。

そのため、探究活動や理系探究の経験がどのように扱われるかは、大学・学部・選抜方式によって異なります。探究をしているだけで合格に有利になるとは限りません。一方で、研究テーマを選んだ理由、試行錯誤、得られた結果、そこから何を学んだかを自分の言葉で説明できるようにしておくことは、活動報告書や志望理由書、面接などで自分の学びを整理する際の材料になります。

総合型選抜

活動歴の多さだけではなく、何を考え、どう行動し、大学で何を学びたいのかまで見られる選抜です。評価方法は大学・学部ごとに異なります。

学校推薦型選抜

高等学校長の推薦を前提とする選抜です。調査書、推薦書、面接、小論文、共通テストなど、組み合わせは大学ごとに異なります。

指定校推薦

高校ごとの校内選考と大学側の条件があります。探究活動の扱いも一律ではなく、学校と大学双方の最新情報を確認する必要があります。

文部科学省「令和8年度入学者選抜について」 ↗

05 — 進学との接続

探究は、進学の入口にもなっている。

大学入試は一般選抜だけではありません。国公立・私立ともに、研究活動や学びの過程、志望理由、面接・口頭試問などを組み合わせて評価する選抜が広がっています。共通テストを課さない方式もあります。

推薦だから簡単、ではない。

評価される能力の軸が違います。探究を入試の実績づくりだけのために行うべきではありませんが、問いを立て、研究を続け、結果を説明し、次の課題まで考えた経験を評価する入口はすでにあります。

東京大学
学校推薦型選抜

書類・面接等と大学入学共通テストを組み合わせて選抜。

公式情報 ↗
京都大学
特色入試

学部により、共通テスト、能力測定考査、論文、面接、口頭試問等を組み合わせる。

公式情報 ↗
大阪大学
総合型選抜・学校推薦型選抜

全学部でいずれかを実施。自由研究や活動歴を含め、学部ごとに異なる資料・試験で評価。

公式情報 ↗
九州大学
共通テストを課さない例あり

工学部の総合型選抜Ⅰなど、書類・面接等で評価する方式がある。

工学部公式情報 ↗
名古屋大学
共通テストを課さない例あり

文学部の学校推薦型選抜、理学部の総合型選抜など。学部により方式は異なる。

公式情報 ↗
東京都立大学
総合型選抜

ゼミナール入試や科学オリンピック入試など、多様な方式を実施。

公式情報 ↗
横浜国立大学
総合型選抜

理工学部などで書類・面接等を用いる選抜を実施。プログラムにより共通テストを用いる。

理工学部募集要項 ↗
私立大学
AO・公募推薦など

早稲田、慶應SFC、上智などでも、書類・活動・志望理由・面接等を組み合わせる選抜がある。

共通テストなし=簡単、ではありません。

共通テストを課さない選抜がある一方で、共通テストを使う推薦・総合型選抜も多くあります。「一般選抜より低い点数で受かる」と一律には言えません。出願条件や評価方法は、必ず最新の募集要項で確認してください。

高校の探究を、進路と切り離さない。

探究の目的は入試ではありません。それでも、研究を通して培った問いを立てる力、科学的推論力、継続力、説明力を、その先の学問へ接続できる制度はすでにあります。学校の探究活動も、研究を終えて提出するところまでではなく、自分の経験を言葉にし、次の学びへつなげるところまで支えられるべきだと考えています。

掲載内容は2026年9月24日時点で確認できた各大学の公式情報をもとにした概要です。募集学部、出願資格、共通テストの要否、選抜方法は年度ごとに変更されることがあります。

06 — LTI EXPLORE

探究の記録を、次の研究につなぐ。

LTI Exploreは、高校生の理系探究・課題研究を記録し、公開された論文を学校を越えて探せるようにする探究プラットフォームです。AIによる継続研究の提案や、先生向けの論文添削支援も組み合わせ、研究の過程と成果を次の問いにつなげることを目指しています。

LTI Exploreは大学入試の合格を保証・判定するサービスではありません。探究活動の記録・研究支援を目的としています。

07 — FAQ

探究と進路について

探究活動は総合型選抜で必ず評価されますか?

必ず評価されるとは限りません。大学・学部・選抜方式ごとに評価項目が異なります。探究経験を提出できる場合でも、研究内容だけでなく、志望理由や学びとのつながり、面接などを含めて評価されることがあります。

理系探究をしていると推薦入試で有利ですか?

探究活動をしていること自体が合格を保証するものではありません。研究の目的、方法、結果、考察、そこから得た学びを整理し、志望分野との関係を説明できる状態にしておくことが大切です。

指定校推薦でも探究活動の記録は必要ですか?

必要書類や校内選考基準は高校・大学によって異なります。探究記録が必須でない場合もありますが、高校生活で取り組んだことを振り返る材料として整理しておくことはできます。具体的な要件は学校の進路指導と募集要項を確認してください。

「総合的な探究の時間」と「理数探究」は同じですか?

同じ科目ではありません。どちらも探究的な学びを重視しますが、学習指導要領上の位置付けや内容が異なります。学校の教育課程に応じて実施されます。

LTI Exploreは総合型選抜対策サービスですか?

いいえ。LTI Exploreは高校生の理系探究・課題研究の記録、論文の蓄積・検索、継続研究、先生の指導支援を目的としたプラットフォームです。入試対策や合否判定を目的としたサービスではありません。

RESEARCH → RECORD → REVIEW → CONNECT

高校の探究を、学校の外へ。

理系探究・課題研究の記録、論文データベース、学校での実証・導入についてご相談いただけます。